雪が降り始めた。
凍てつく寒さ、白い結晶
ただ何もしたくなくて剥き出しの肌に降り積もる雪は
少しずつ体温を奪っていった。

色づいた世界がただ白く染まっていく

このまま
穢れない白に染まろうか
全てを捨ててしまおうか

貴方が教えてくれた温もりも
腕の中で眠る幸せも
全て忘れてしまいたいから

ねぇ…
どうしたら貴方は私の中から消えてくれるの?
どうすればこの涙を止める事が出来るの?

みて…開かれた傷がまだ血を流してるの
ふさがらないそれは、化膿している

治りかけていたそれを、また ナイフで抉る
この痛みなんかじゃ、貴方を忘れられない…
もっと、もっと死ぬ程の痛みを私に下さい

大好きだった貴方
離れるくらいなら、最初から傍に来ないで
その気がないなら、期待させないで

好きだなんて言わなければよかった…
貴方に近づかなければ良かった…

貴方を嫌いになんてなれない…。
憎めたらいいのに…
嫌いになれたらいいのに…

疑心暗鬼の僕。
全てを疑う事からしか出来ない

もう、誰も、何も信じれないよ

自分ですら、信じれないから

殺してしまおう。


この雪に埋もれて綺麗に死ぬなんて事はさせない。

白い世界に穢れた朱で彩ってみせましょう。

貴方に会いたくなるから、この足を切り落とそう。
動く術をなくしてしまおう。

声を聞きたくなるから、耳を引きちぎろう。
ほら、これでもう聞こえなくなる。

姿を見たくなるから、目玉を抜き取ろう。
これで、見ることも叶わなくなる。


思い出を忘れたいから、頭を割ってしまおう。
全てを停止させよう。

そして

抱き締めたくなるから、腕をもぎ落とそう…。

それでもまだ貴方を求めるこの心を止めるために…
心臓を抉り出そう。

白い、白い世界
私が居た場所だけ、真っ赤に染まっている。
生臭い血の臭い…
まだ温もりが残っている残骸。

降り続く雪、どうか、どうかやまないで…













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