Full Moon



休む間もなく、息をしていた。
止まる事もなく、鼓動が脈打っていた。
神経が磨り減っても、笑顔で居た。


  ― ほら…少しづつ、蓄積されていく。 ―


柔らかな笑みを浮かべて、優しい言葉を紡いで、誰かを癒して…。


  ― どんどん蓄積されて、神経が磨り減っていく。 ―


迷惑をかけない様に、止まらない。
悲しませたくないから、泣かない。


  ― ささくれ立った心が、静かに崩壊していく。 ―


何を思って 言葉を紡いでいるのかな。
どうして 誰かを癒そうとするのかな。
なんで 笑顔でいられるのかな。


  ― からりと、虚ろに響く音が最後の音だった。 ―


ねぇ…僕を助けて…
お願いだから…

心も身体も、悲鳴を上げている…
涙も出ない程、叫びを上げているよ…


  ― 誰か…タスケテ… ―


もう、笑えないよ…
優しい言葉が出てこないよ…
癒してあげる事ですら、出来ないよ…


ただ、静かに眠る場所が欲しい。
でも…見つからなくて、
ゆっくり、ゆっくり、神経が崩れて行くんだ。


  ― 瞳を開いているのも、終わりにしたい… ―


大きな満月が僕を照らして、
穏やかな時間がやってくるのを、待っている。

きっと、次に瞳をひらいたら…。




僕はまた、笑えるかもしれない。







SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送